こんにちは。
傷病手当金は「通算して1年6か月」までと規定されています。
しかし、その期間で病気や怪我が治らなかったらどうするの?と感じたことはありませんか。
そういう事態にも国は想定して給付金を創設しています。
それが『障害年金』です。
「年金」というと、お年寄りしか受給できないのではないの?と思う方もいらっしゃると思います。
そんなことはありません。
20歳以上の方で、一定の条件を満たしていれば『障害年金』を受給できることができます。
本記事では、障害年金の申請方法について紹介したいと思います。
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障害年金の基礎知識
まずは障害年金について理解を深めましょう。
できるだけわかりやすく簡単に書いていきます。
障害年金って何?
障害年金は、病気や怪我によって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取ることができる年金のことです。
もちろん現役世代のかたも受給対象となります。
どんな人が受給できるの?
初診日から1年6か月が過ぎた日に、ある一定の障害の状態がある場合に受給できます。
障害の状態については以下の通りです。
(1) 1 級
出典:日本年金機構「障害認定基準」よりhttps://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.files/2.pdf
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用を弁ずる
ことを不能ならしめる程度のものとする。この日常生活の用を弁ずることを不能なら
しめる程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができな
い程度のものである。
例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの
又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむ
ねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね
就床室内に限られるものである。
(2) 2 級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制
限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとす
る。この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを
必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて
困難で、労働により収入を得ることができない程度のものである。
例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、
それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活
でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえ
ば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである。
(3) 3 級
労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度
のものとする。
また、「傷病が治らないもの」にあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限
を加えることを必要とする程度のものとする。(「傷病が治らないもの」については、
第3の第1章に定める障害手当金に該当する程度の障害の状態がある場合であって
も3級に該当する。)
(4) 障害手当金
「傷病が治ったもの」であって、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えるこ
とを必要とする程度のものとする。
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どんな病気や怪我が対象なの?
ほとんどの傷病が対象です。
精神疾患や発達障害、がんや糖尿病なども対象となります。
納付要件について
初診日の前日において、
・初診日のある月の前々月までに公的年金(国民年金、厚生年金、共済年金)の加入期間が3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること。
・初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
の要件が必要となります。
なお、20歳以前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。
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障害基礎年金と障害厚生年金について
初診日において、基礎年金(国民年金)を支払っていたのか、厚生年金を支払っていたのかで変わります。
障害基礎年金は1級と2級しか受給対象になりませんが、障害厚生年金は1級2級に加え、3級と障害手当金も受給対象になります。
障害厚生年金の方が手厚くなっています。
もらえる金額は?
受給金額は以下の通りとなります。
【障害基礎年金】
67歳以下の方
(昭和31年4月2日以後生まれ)993,750円 + 子の加算額※ 68歳以上の方
(昭和31年4月1日以前生まれ)990,750円 + 子の加算額※
67歳以下の方
(昭和31年4月2日以後生まれ)795,000円 + 子の加算額※ 68歳以上の方
(昭和31年4月1日以前生まれ)792,600円 + 子の加算額※
2人まで 1人につき 228,700円 3人目以降 1人につき 76,200円 ※子の加算額はその方に生計を維持されている子がいるときに加算されます。
出典:日本年金機構https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html
なお、子とは18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子です。
【障害厚生年金】
【1級】
(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(228,700円)〕※【2級】
(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(228,700円)〕※【3級】
(報酬比例の年金額)
67歳以下の方
(昭和31年4月2日以後生まれ)596,300 円 68歳以上の方
(昭和31年4月1日以前生まれ)594,500 円 ※その方に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに加算されます。
出典:日本年金機構
報酬比例部分の計算において、厚生年金期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。
また、障害認定日の属する月後の被保険者期間は、年金の計算の基礎とはされません。
障害年金の申請手続きの流れ(必要書類編)
ここでは、障害年金の申請方法の流れについてお伝えしていきます。
年金申請書を入手する
まずはお近くの年金事務所に出向き、年金申請書をもらいましょう。
年金事務所は大変混雑しているので、先に電話で予約を取ることをおすすめします。
障害年金診断書を医師に記入してもらう。
障害年金診断書の作成を医師にお願いしましょう。
障害年金の診断書はボリュームがあり、普段の診察で主治医に伝えていない項目を記載する欄も多くあります。
できれば、自分の症状を紙にまとめて医師に渡すことをお勧めします。
また、障害年金診断書の作成料は2万円前後します。事前に病院に作成料について問い合わせをしておくとよいでしょう。
病歴・就労状況等申立書を作成する
この申立書は、唯一自分で病状を日本年金機構に説明できる重要な書類となります。
この申立書の中でしか、自分の状況や症状などを訴えることができないのです。
病歴・就労状況申立書を作成する上で重要なポイントは
・診断書の内容に沿っていること(診断書の内容と整合性がとれていること
・「障害認定基準」を意識して記載すること
です。
障害認定基準は日本年金機構のHPから閲覧することが可能です。
PDFファイルなので、ダウンロードし、印刷することも可能です。
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その他
その他
・障害年金を受け取る金融機関の通帳等
・戸籍謄本
・年金手帳
・受診状況等証明書(必要な場合もあります)
が必要となります。
障害年金の申請手続きの流れ(提出から審査編)
提出先は日本年金機構
必要な書類が集まりましたら、日本年金機構に出向いて提出をします。
近くの日本年金機構の事務所でもよいですし、少し遠い年金事務所でも大丈夫です(全国どこの年金事務所でも提出できます)。
前記した通り、年金事務所は非常に混雑していて、提出したいタイミングで予約が取れない可能性があります。
その場合は少し遠くの年金事務所も当たってみましょう。
全国の日本年金機構から東京の日本年金機構障害年金センターに集約される
各地の日本年金機構に提出された申立書は、東京の日本年金機構障害年金センターに集約されます。
ここで、全国一括して審査が行われます。
審査が行われる
審査は、日本年金機構に委託された認定医と言われる医師が、提出された申立書を基に審査をします。
審査機関は大体2か月から3か月半となっています。
全国各地の申立書を審査するため必然的に時間がかかってしまいます。
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最後に
いかがでしたでしょうか。
障害年金を申請するには、非常に労力がかかります。
自力で申請することももちろん可能ですが、病気や怪我で辛いときに大変な思いはしたくないですよね。
そのようなときは「弁護士」や「社会保険労務士」に依頼し、書類作成をお手伝いしてもらうこともできます。
有料ではありますが、たいていは着手金無料、成功報酬制となっている事務所が多いです。
自力では・・・と思っているかたは、専門職である弁護士や社会保険労務士の力を借りてみてはいかがでしょうか。
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